I. 法律の根拠

2015年民法典

適用条項がない事件に対して、裁判所は慣習、類似法令の適用、民事法令の各基本原則、判例、公平の理を適用します。

II. 慣習の適用

当事者の合意がなく、法令に規定されていない民事事件を解決するために、裁判所は慣習を適用します。慣習は民事法令の基本原則に反しないものとします。民事事件の解決を裁判所に申立てる場合、当事者は慣習を援引し、裁判所に適用を検討するよう求める権利を有します。複数の当事者が異なる複数の慣習を援引した場合は、民事事件が発生した場所で認められる慣習が適用価値を有します。

適用条項がない場合の民事事件の解決原則

III. 類似法令の適用

当事者の合意がなく、法令に規定されておらず、適用する慣習がない民事事件を解決するために、裁判所は類似法令を適用します。類似法令を適用する場合、裁判所はその民事事件の法的性質を明確化し、現行法体系に該当する関係を規定する法規範がないことを明確にし、同様の民事関係を規定する法規範を確定しなければなりません。

IV. 民事法令の各基本原則、判例、公平の理の適用

慣習、類似法令が適用できない場合、裁判所は民事法令の各基本原則、判例、公平の理を適用し、民事事件を解決します。

民事法令の基本原則とは以下の原則であります。

すべての個人、法人はいずれも平等であり、いかなる理由があろうとも差別取扱いを受けません。各人格権及び財産について等しく法令による保護を受けます。
個人、法人は、約束、合意の自由、自主を基礎として、自己の民事権、民事義務を確立し、履行し、消滅させます。法律の禁止事項に反さず、社会道徳に反しないすべての約束、合意は、各当事者に対する履行効力を有し、他の主体により尊重されなければなりません。
個人、法人は、善意、誠実なやり方で、自己の民事権、民事義務を確立し、履行し、消滅させなければなりません。
民事権、民事義務の確立、履行、消滅は、国家、民族の利益、公共の利益、その他の者の権利及び合法的利益を侵害してはなりません。
個人、法人は、民事義務を履行しない又は正しく履行しないことに対して自ら責任を負わなければなりません。

判例は最高人民裁判所裁判官評議会が選択し、最高人民裁判所長官が公表したもので、裁判所が研究し、民事事件の解決に適用されます。

公平の理は社会におけるすべての人が認める道理に基づき確定され、人道的原則に適合し、該当する民事事件おける当事者の権利及び義務に関して公平、平等であります。