法的根拠:

  • 2020年投資法;
  • 2005年商法;
  • 2018年1月15日付政令第09/2018/NĐ-CP;
  • 関連する施工指針文書。

I. FDI企業による卸売業および小売業活動の概要

ベトナムは、東南アジアにおけるいわゆる「小売の楽園」の一つと称されている。1億人を超える人口規模、年々増加する消費水準、急速に拡大する中間層を背景として、流通・小売市場は常に国際的企業グループにとって魅力的な投資先となっている。

もっとも、すべてのFDI企業が直ちに店舗を開設し、消費者に対して直接販売を行うことができるわけではない。ベトナム企業とは異なり、FDI企業が卸売業又は小売業を営もうとする場合には、政令第09/2018/NĐ-CPに基づき、営業許可証の交付を受けなければならない。

当該許可証は、以下の活動を行うための法的要件となる。

  • FDI企業が、店舗、倉庫、スーパーマーケット又は商業施設を適法に開設すること。
  • 国内の供給業者と契約を締結し、商品を市場へ流通させること。
  • 小売市場において直接競争に参加すること。

当該許可証を取得していない場合、FDI企業は行政処分の対象となり、場合によっては事業活動の停止を命じられる可能性がある。

II. 卸売業・小売業営業許可証の交付要件

本項は、投資家が申請書類を提出する前に十分に理解しておくべき最も重要な部分である。

1. 初期投資に係る法的要件および手続要件

FDI企業は、以下の書類を必ず取得していなければならない。

  • 投資登録証明書(IRC):ベトナムにおける投資プロジェクトを確認するもの。
  • 企業登録証明書(ERC):法人格を確認するもの。

これら二つの手続を完了した場合に限り、企業は営業許可証の申請を行うための法的資格を備えることとなる。

2. 営業が認められる業種に関する要件

ベトナムが加盟しているWTOの約束および各種FTAに基づき、ほとんどの取扱商品分野は外国投資家に対して開放されている。しかしながら、米、砂糖、石油、医薬品、たばこ、書籍・新聞・雑誌等の一部の敏感分野については、制限が設けられている、又は参入が認められていない。

これはすなわち、FDI企業が一般消費財(食品、衣料品、化粧品、家庭用品等)を取り扱う場合には、許可取得手続は比較的円滑に進むと解される。一方、特殊又は特定管理の対象となる商品分野を取り扱う場合には、法令上の条件を慎重に確認し、法的リスクを回避する必要があることを意味する。

3. 財務能力に関する要件

所管当局は、以下の事項を審査する。

  • 企業の定款資本金。
  • 海外に所在する親会社の監査済財務諸表。
  • 当該事業活動に係る財務計画。

例えば、イオン(日本)やロッテ(韓国)のような大手小売グループが投資を行う場合、通常は国際基準に基づく財務諸表を提出することにより財務能力を証明する。これに対し、より小規模な企業については、銀行保証書等の追加書類を準備する必要が生じる場合がある。

4. 物的施設および営業場所に関する要件

企業は、店舗・倉庫等の賃貸借契約書、又は当該営業場所に対する使用権を証明する書類を有していなければならない。当該所在地は、地方の都市計画に適合していることに加え、消防法令、食品安全、環境衛生等に関する要件を満たしていなければならない。

例えば、FDI企業がハノイ市内の商業施設において小売店舗を開設する場合、当該テナント区画に係る賃貸借契約書を営業許可申請書類に添付しなければならない。

5. 経済的必要性審査(ENT)

これは、多くの外国投資家が特に関心を寄せる論点である。

  • ENTは、企業が第二号店以降の小売店舗を開設する場合に適用される。

所管当局は、以下の要素を総合的に勘案する。

  • 当該地域における既存小売店舗の密度。
  • 地域の人口規模および購買力。
  • 従来型商業システムに対する影響。
  • 社会経済の発展への貢献可能性。

すなわち、FDI企業がスーパーマーケット・チェーンを拡大しようとする場合、第二号店以降の出店については審査がより厳格となり、十分かつ詳細な説明資料の提出が求められることとなる。

FDI企業に対する卸売・小売事業許可証の取得条件および手続

III. 卸売業・小売業営業許可証の申請手続

1. 申請書類の作成および準備

申請書類は複数の文書から構成され、そのうち特に重要なものは以下のとおりである。

  • 営業許可証交付申請書(所定様式)。
  • 要件充足に関する説明書(事業計画書、財務計画書、管理運営計画を含む)。
  • 財務能力を証明する資料(財務諸表、資本証明書等)。
  • 投資登録証明書(IRC)および企業登録証明書(ERC)。
  • 営業場所の賃貸借契約書、消防に関する証明書、食品安全に関する証明書(必要な場合)。

2. 申請書類の提出

  • 企業は、営業所所在地を管轄する商工局に申請書類を提出する。
  • 複雑な案件については、商工局は商工省の意見を聴取しなければならない。

3. 審査・評価

  • 審査期間は通常15日から30日である。
  • 所管当局は、申請書類を法令の規定と照合し、必要に応じて関係機関の意見を聴取する。
  • ENTが適用される場合には、審査期間がさらに延長されることがある。

4. 許可証の交付

  • 申請書類が適法かつ有効である場合、商工局は営業許可証を交付する。
  • 不許可とする場合には、その理由を明示した書面により回答しなければならない。

IV. 実務上の留意事項

  1. 処理期間:実務上、多くの案件においては、書類の補充や関係省庁間の意見聴取が必要となるため、処理期間が1か月から2か月に及ぶ場合がある。
  2. 特定業種: 酒類、たばこ、医薬品等を販売する場合には、営業許可証に加え、関連する個別法令に基づく専門許可を別途取得しなければならない。
  3. ENT: これは、FDI企業がチェーン展開を図る際における大きな障壁となる。そのため、企業は市場調査報告書および詳細な事業計画書を十分に準備し、所管当局を説得し得る内容を整備する必要がある。
  4. 事後監督:許可取得後、企業は定期的な報告義務を負い、所管当局による検査・監督を受ける。違反が認められた場合には、当該許可証が取消される可能性がある。
  5. 実務上の経験: 多くの大手企業グループは、申請書類の作成にあたり、現地の法律事務所又はコンサルティング会社を起用するのが通例である。これにより、処理期間の短縮および手続上の不備の防止が図られる。

V. 結論

ベトナムにおける卸売業・小売業許可証の取得手続は、必ずしも過度に複雑なものではないが、とりわけ店舗チェーンの展開を企図する企業にとっては、多くの留意すべき細部が存在する。

  • 申請書類を十分に整備し、明確な事業計画および財務計画を策定している場合、許可取得は比較的円滑に進む傾向にある。
  • 一方で、書類の不備やENT要件を満たしていない場合には、審査期間の長期化又は不許可となる可能性が高い。
  • 許可申請に先立ち、取扱商品分野および事業範囲を明確に確定しておくことが重要である。
  • また、特に財務能力を証明する資料を含め、必要書類を漏れなく準備しなければならない。
  • さらに、時間および費用の効率化を図る観点から、法務コンサルティングサービスの活用を検討することも有益である。

ベトナム市場は拡大を続けており、消費者はますます国際ブランドを志向する傾向にある。現在はFDI企業が参入する好機であるといえるが、持続的成功の可否は、体系的かつ周到な法的準備に大きく左右される。

VI. Innopines 法律事務所法律および会計に関する情報

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