内容の概要
I. 法的根拠
- 2024年社会保険法
- 政令第158/2025/ND-CP号
II.社会保険料算定基準となる賃金の規定
2025年に施行された政令158号および社会保険法第31条第1項により、社会保険料の算定基準となる給与について、以下のように定められています。
第31条第1項b項に基づき、社会保険料の支払の基礎となる給与は、職務または役職に応じた給与、給与手当、およびその他の手当を含む月額給与となります。
- 職務又は役職に応じた給与は、月給に基づき時間(月)で計算されます。労働法第93条の規定に基づき使用者が作成した給与表は、労働契約において詳細に合意されます;
- 労働条件、業務の複雑さ、生活環境、労働力の確保度合いなど、月額給与に算入されていない、または不完全な要素を補償するための手当は、労働契約において合意されます。ただし、従業員の労働生産性、業務プロセス、業務遂行の質に応じて変動する手当は除きます
- その他の手当は、一定の金額で定められ、労働契約において合意され、各給与支払期間において定期的かつ安定的に支払われます。ただし、従業員の労働生産性、業務プロセス、業務の質に応じて変動するその他の追加額は除きます。
– 労働契約において時給での賃金が合意されている場合、当月の給与は時給×当月の労働時間数で算出される。
– 日給で合意されている場合、当月の給与は日給×当月の労働日数で算出される。
– 週給で合意されている場合、当月の給与は週給×当月の労働週数で算出される。
– 社、村、居住集団レベルの不専任労働者の場合:月額手当が強制社会保険料納付の基礎となる最低賃金より低い場合、強制社会保険料納付の基礎となる最低賃金は、社会保険法第31条第1項đ号に規定される強制社会保険料納付の基礎となる最低賃金と同等とします。
– さらに、給与が外国通貨で契約・支給されている場合、当該通貨はベトナムドンに換算されます。この換算には、国有資本を有する4つの商業銀行が発表する送金による平均買付レートが使用されます。換算日は、上半期は1月2日、下半期は7月1日が基準日とされ、もしその日が休日に当たる場合は、直後の営業日のレートが適用されます。
III. 2024年社会保険法施行による保険料率の変更比較(施行前後の比較)
項目 | 2025年7月1日以前 | 2025年7月1日以降(2024年の社会保険法に基づく |
社会保険料率(退職、死亡) | 労働者:8%
使用者:14% |
変更なし
労働者:8% 使用者:14% |
社会保険料率(傷病・出産) | 労働者:0%
使用者:3% |
変更なし
労働者:0% 使用者:3% |
健康保険料率 | 労働者:1.5%
使用者:3% |
変更なし
労働者:1.5% 使用者:3% |
失業保険料率 | 労働者:1%
使用者:1% |
変更なし
労働者:1% 使用者:1% |
労働災害・疾病保険料率 | 労働者:0%
使用者:0,5% |
変更なし
労働者:0% 使用者:0.5% |
社会保険および健康保険料の月額上限額 | 基準給与の20倍(20 × 2.34 = 4,680万ドン) | 参照基準の20倍(当初は現行の基準給与と同額で、実質的に変更なし) |
失業保険料の月額上限 | 地域別最低賃金の20倍 | 変更なし
地域別最低賃金の20倍 |
注記:
「基準給与」とは、国家機関等の報酬体系における基本金額を指す。
「参照基準」は、2024年改正法において導入された新しい概念であるが、当初は「基準給与」と同一とされているため、実際の変更はない。
IV. 2025年7月1日以降の社会保険料に関する重要な留意点
2025年7月1日より、強制社会保険の拠出率(負担割合)自体は変更されませんが、保険料算定の基準額に重要な変更があります。
具体的には、これまで使用されてきた「基準給与」に代わり、政府が定める「参照基準額」が適用されるようになります。
法の施行初期段階においては、この「参照基準額」は現行の基準給与(月額234万ドン)と同額とされています。
しかし将来的には、消費者物価指数(CPI)、経済成長率、および社会保険基金の収支状況などを踏まえて、段階的に調整される予定です。
また、保険料率に変更はないものの、「基準給与」から「参照基準額」への切り替えにより、企業と労働者が毎月実際に支払う社会保険料の金額に影響を与える可能性があります。
V. 結論
まとめると、2025年7月1日以降、強制社会保険の保険料率は変更されませんが、保険料算出の基準には調整があります。労働者および企業は、新しい規定を十分に理解し、把握することで、権利の確保と財務計画への主体的な対応が可能となります。
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